金沢市図書館叢書

 金沢市立玉川図書館近世史料館では、「加越能文庫」をはじめとする多くの加賀藩時代の史料を所蔵しています。通常、史料は館内閲覧というかたちでご利用いただいていますが、市民の財産である郷土の歴史史料をより多くの方々にご利用いただけるよう、「金沢市図書館叢書」として活字版を作成しております。
 現在までに、叢書の第1巻として『金沢町名帳』を平成8年度に、第2巻として『金沢町絵図』を平成10年度に刊行し、平成13年度に第3巻として『加能越三箇国高物成帳』、平成15年度に『温故集録(一)』、平成16年度に『温故集録(ニ)』、平成18年度に『温故集録(三)』、平成20年度に『温故集録(四)』、平成22年度に『温故集録(五)』、平成24年度に『諸頭系譜 上』、平成26年度に『諸頭系譜 下』、平成28年度に『加賀藩侍帳 上』、平成30年度に『加賀藩侍帳 下』を刊行いたしました。
 今後も各分野にわたる史料の出版を行っていく予定です。
 この金沢市図書館叢書は、金沢市の各図書館で閲覧でき、県内市町村立図書館や各都道府県立図書館、研究機関に配布しています。また、ご希望の方には実費でお分けいたしております。

 

第13巻 『御用方手留 一』

「御用方手留」(奥村文庫)は、加賀八家奥村家(一万七千石)の幕末の当主栄通(テルミチ)が記した嘉永6年(1853)から明治7年(1874)までの役務日記で、全七十巻(目録十巻、本編七十巻)からなっています。本書『御用方手留 一』では嘉永6年4月5日から安政3年(1856)12月晦日(四十一~五十三巻)までを収載しています。 日常的な役務の記録(藩主の鷹狩・御能・学校御覧や年中行事・儀礼等)の他に、犀川・浅野川出水(嘉永7年7月)、金沢大地震(安政2年2月)、江戸大地震(安政2年10月)、江戸御供日記(安政3年3月)、江戸巽風[台風](安政3年8月)等の記載も含まれています。

第12巻 『加賀藩侍帳 下』

『加賀藩侍帳 上』に引き続き、弘化から明治初年までの直臣の侍帳を掲載し、その他、藩政中期の与力の侍帳、大身の家臣である陪臣の侍帳、武芸師範人などの侍帳も掲載しています。なお、巻末には幕末の八家人持家の重臣一覧および約九千人の藩士名の五十音索引が附いています。

第11巻『加賀藩侍帳 上』

寛文から文政期を中心に、11点の様々な侍帳(組分・イロハ順・石高順等)を掲載しています。石高・藩士名の他、居所や家紋が確認できる侍帳もあり、家紋が図柄で確認できる侍帳も掲載しました。なお、巻末には約一万二千人の藩士名の五十音索引が附いています。

第10巻『諸頭系譜 下』

全15巻のうち巻8から巻15を収録。御膳奉行から料理頭・大工頭までを網羅しています。また、上・下巻通しての「索引編」を付し、人物検索の利便性を高めています。

第9巻『諸頭系譜 上』

加賀藩の役職等の異動(藩士の名・任免年月・前職・後職)について役職ごとに記録したものです。諸本があったようですが、文化6年(1809)、木村信尹ノブタダが編纂したものが始まりで、15巻18冊からなるものです。上巻にはこのうち巻1から巻7を収録。八家・人持・頭役を網羅しています。 木村信尹は文政4年(1821)に亡くなり、天保14年(1843)には津田亮之助(鳳卿)等が増補しています。しかし、今回の本書(史料集)の底本となる史料は、明治初年までを加えて編纂されたものです。したがって藩政期全体の異動が確認できることから、加賀藩研究には欠かせない基本史料とされるものです。

第8巻『温故集録(五)』

『温故集録』全50巻のうち、巻42より巻50を収録。綱紀の書籍などの蒐集に関し、古筆・有職故実などに及びます。

第7巻「温故集録(四)」

『温故集録』全50巻のうち、巻33より巻41を収録。領内各地の旧蹟・奇事・名産品などを中心とします。

第6巻『温故集録(三)』

『温故集録』全50巻のうち、巻24より巻32を収録。領内村名由来・鉱山・温泉など地誌を中心とします。

第5巻『温故集録(二)』

『温故集録』全50巻のうち、巻13より巻23を収録。芸術・足軽・鍛冶・能楽・町人・諸商売・十村の由緒などを記します。

第4巻『温故集録(一)』

この史料は、藩主前田家および加賀・能登・越中における諸々の歴史事項を網羅したもの。
本書の典拠となるものは、前田家五代綱紀が調査・収集した史料で、これらを基として、明治時代に郷土史家森田柿園が再編集。
森田は各主題毎に史料をまとめ、それらに拠って各事項の歴史を解き明かし、さらに自身の考証を付しています。
なお、従来の「金沢市図書館叢書」は一巻毎に完結する形をとってきましたが、今回の『温故集録』は、全50巻、5,000丁を超える大部であるため、一巻をもって全てを収録することはできず、全五巻を要するものとなります。
構成は、1巻毎に12冊前後を収録し、第5巻目には全体の解説と共に、総目録・総索引を付して利用の便を計っています。

第3巻『加能越三箇国高物成帳』

この史料は、加賀藩主前田家の領地であった加賀・能登・越中の3ヶ国約3,400の村々の農業生産高とその年貢(税)高を記したもので、成立は藩政末期です。
記録は寛文10年(1670年)の調査に基づいており、「加賀百万石」と形容される前田家の領地の積算根拠を具体的に示しています。
また、それ以前の情報やその後の生産高・年貢の変化に関する記述も含まれていて、加賀藩の農政全体や藩政初期から藩末期にかけての地域ごとの生産、年貢の変遷が把握でき、郷土史研究に役立つ、価値ある史料となっています。

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購入方法
  • 近世史料館窓口で販売いたします。
  • 遠方の方は、現金書留または郵便為替でお申し込みください。( 代金前納です )
  • 価格:各5,761円
    郵送をご希望の場合は、送料をご負担ください。

  • ※ 第1巻『金沢町名帳』(\4,000)は完売しました。
  • ※ 第2巻『金沢町絵図』(\5,000)は完売しました。

お申し込み・お問い合わせ
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